『グーグル ネット覇者の真実』を読んだ

ある人にオススメされたので『グーグル ネット覇者の真実 』を読んでみたらかなり面白い本でした。検索連動型広告という金脈を見つけて急成長していく序盤のワクワクする感じから、上場して今のような大企業になるにつれていわゆる大企業病が蔓延して色々と悩みが増えてくる様子などがかなり生々しく書かれていて、色々と考えさせられる内容が多かったです。その中でもいくつか印象に残ったことなどをメモっておきます。

徹底したコストへの意識

検索リクエストをひとつ処理するたびにお金がかかる。 広告収入が得られるようになるのはまだ先のことだった。 そこでペイジとプリンとヘルツルは、可能な限り安くインフラを構築する方法を考えたんだ。

(ビジネスがうまくいってる限りは) 極端にインフラのコストを下げる必要はないのかなと思ってましたが、考えを改めさせられました。たとえばグーグルのように収益得られるようになるまでいいプロダクトを作ることにフォーカスできる体力を残せるという価値もあるし、ユーザ視点で考えると、コストがかかって今までは有料じゃなければできなかったことが、無料 (広告) のみで提供できるようになるみたいな価値の生み方もあるなと。ということで、1 クエリの処理にいくらかかるのかを即答できるレベルでコストと向き合っていくべきだなと感じてます。

低レイテンシーの追求

彼 (ラリー・ペイジ) は常にあらゆることを測っている

検索結果の戻りが遅いと「ユーザは検索し直すことを無意識に嫌がるようになる」とヘルツルは言う。 「あるいは検索リクエストを別の表現で入力し直すより、全く別の情報を探そうとするかもしれない。 ユーザに直接聞いても、そうだとは決して答えないだろうが、全体のデータを見れば一目瞭然だ。」

スライドショーが 3 倍速く動くようにすると、改善策について発表があったわけでもないのに、実施当日の「ピカサ」サイトのトラフィックは 40% 増加した。

これもコストの話と同じで、もっと低レイテンシーを追求していかなきゃいかんと考えさせられることが色々書いてあり、意識が高まりました。

大企業になると…

(上場後) つまり、グーグラーたちは裕福になるにつれて保守化していったのだ。

グーグルとユーチューブの社内で交わされていたメールやプレゼン資料を比較すると、両者は著しく対照的な企業であることがわかる。 グーグルビデオ・チームは上層部から承認とアドバイスを得るために膨大な時間を費やしていた。 …ユーチューブでは、上司のために大量のスライド資料を何度も書き直す必要はなかった。 彼らは自分が正しいと感じたことをやるだけでよかった。

この問題で直面した状況は、グーグルを苦しめてる問題の縮図だった。 小さな企業がテクノロジーと頭脳の力を駆使して、既存のビジネスモデルは文化的伝統をかき乱せば、 その企業は魅力的で刺激的だと賞賛され、かたやライバル企業は既得権にしがみつく守旧派のいじめっ子というレッテルを貼られる。 しかし、資金力の豊富な巨大企業が市場をかき乱すと、その企業がいじめっ子と見なされ、ライバル企業は(たとえ、よこしまな意図で行動していても)同情を集められる。

上場するような規模になってくると、それまでとは違う色々な問題が出てきて、Google も例外でないんだなと実感させられました。

そのほか

グーグルは当時 1 万 ~ 1 万 5000 台のサーバを保有していたので、2000 台くらいは自由に使わせてもらうことができた

これはさすが Google 先生という内容…。

サーバの反応が遅すぎる場合、あなたならどのように診断しますか?

ある社員が面接で聞かれたらしいですが、シンプルであるにも関わらず本質を理解してないと答えられない良問だと思いました。

「問題を突き詰めるとこうこうことになる」とマカフリーは後に語った。 「限られた予算を技術開発やインフラや本当に優秀な社員の雇用に注ぎ込みたいのか? それとも効果を測定することすらできないマーケティングに使って台無しにしたいのか?」

マーケティングって成功のためには大切な要素の一つではあると思いますが、プロダクトの質を高めるのにお金使う方がより健全だし、ユーザに与える価値も大きくなるんじゃないかなという印象をうけました。

まとめ

全体的にかなり面白くて意識も高まる内容だったので『ソーシャルネットワーク』みたいに映画化してくれないかなって思いました。